乳がんが転移しやすい臓器

がんは、転移する可能性がある点が厄介な病気です。乳がんも、がん細胞がリンパや血管によって遠くまで運ばれ、乳房以外の場所に転移することがあります。

特に乳がんが転移しやすいのは、「骨」「肺」「肝臓」「脳」などです。中でも背骨や肋骨は転移のリスクが大きく、その部分の痛みや骨折などが起こることがあります。

その他、転移した部位によってさまざまな症状が現れる可能性がありますが、まだ腫瘍が小さいうちは基本的に無症状というケースも少なくありません。

ここでは、乳がんが転移しやすい臓器と、起こり得る症状などについてご紹介していきます。

乳がんの再発・転移の特徴

乳がんの再発がもっとも多いのは、他の多くのがんと同様、術後3年以内です。ただし乳がんは一般的に進行が遅いため、人によっては5年後、10年後に再発することもあります。

そのため乳がんは、「初回治療から10年間は定期的な経過観察が必要な病気」です。

中でも、乳房に再びがんが現れることを「局所再発」、離れた部位に現れることを「転移(遠隔転移)」といいます。

転移は、がん細胞がリンパや血管の流れに乗って乳房以外の場所に移動し、そこで新たに病巣を作ることです。

たとえば肺に転移した場合、それは肺がんではなく「乳がんの肺転移」ですので、性質としては乳がんということになります。

遠隔転移した乳がんは、基本的に完治は難しく、手術の適応にはなりません。薬物療法や放射線療法で腫瘍を小さくして症状を和らげ、進行を遅らせることが治療の目的となります。

乳がんが骨転移した場合の症状と治療法

乳がんがもっとも転移しやすいのは骨です。骨転移は、乳がんのがん細胞が血液に乗って骨に移り、そこで増殖したものになります。

特に肋骨や背骨など、乳房に近い部位の骨に転移するケースが多くみられますが、他にも腰椎や頸椎、骨盤、大腿骨などにも転移することがあります。一方、手足の骨に転移することはほとんどありません。

症状

症状としては、痛みや骨折などが代表的です。また脊椎に転移した場合、腫瘍によって脊髄神経が圧迫されることで、手足のしびれやマヒなどが起こることがあります。

他にも、転移した骨からカルシウムが溶け出すことによって、血中のカルシウム濃度が高くなる「高カルシウム血症」になることもあります。

喉の渇きや尿量の増加、むかむかする感じ、便秘などの症状が出ます。早急に治療しないと脱水症状となり、腎機能が低下してしまいますので、早めの対処が大切です。

治療

骨折や痛みがない場合は、全身の薬物療法が中心となりますが、痛みや骨折しそうな箇所がある場合は、放射線療法や鎮痛剤の投与、手術などが必要になることもあります。

また高カルシウム血症になった場合は、血中のカルシウム濃度を下げるための点滴治療を行ないます。

乳がんが脳転移した場合の症状と治療法

脳は、どこに転移したかによってさまざまな症状が現れる点が特徴です。

症状

脳の周りには頭蓋骨があるため、脳に腫瘍ができると全体が圧迫され、頭痛や吐き気、マヒなどの症状が現れます。また病巣のできた部位によって、運動障害や言語障害、精神障害など多様な症状が考えられます。

治療

脳転移による症状を和らげるためには、転移巣を小さくすることが有効です。ガンマナイフなどの放射線療法がよく行なわれますが、転移巣が1つの場合は手術で取り除けることもあります。

その他、症状改善のための薬の投与も行なわれますが、抗がん剤は脳に届きにくいため有効ではありません。

乳がんが肺転移した場合の症状と治療法

多くの血管やリンパ管に囲まれている肺も、がんが転移しやすい臓器です。乳がんでは骨転移と局所再発に次いで、肺および胸膜への転移が多いといわれています。

症状

初期のうちは症状が出にくいのですが、進行すると転移病巣が肺や気管支を刺激することで、がんこな咳が出やすくなります。また血痰や胸のゼイゼイした音など、普通の肺がんと同じような症状がみられます。

他にも、肋間神経痛や呼吸困難などが起こり得るほか、大静脈を圧迫すると上半身の血流が悪くなり、首や顔が腫れるようになります。

治療

転移性肺がんの治療法としては、抗がん剤やホルモン治療薬などの薬物療法が中心ですが、場合によっては手術(肺切除)が行なわれることもあります。

他にも、必要に応じて胸水を抜くための措置や、症状を和らげるための薬の投与などが行なわれます。肺転移は、乳がんの転移の中でも比較的予後が良いとされています。

乳がんが肝転移した場合の症状と治療法

肝臓も血液の要所の一つですので、がんが転移しやすい臓器です。ただし乳がんの再発で、肝臓のみに転移するケースは少なく、全体の5%とされています。

症状

肝臓は「沈黙の臓器」といわれるほど症状が出にくいため、初期にはあまり症状が出ません。進行すると食欲不振や倦怠感、右側の腹痛、黄疸などが出やすくなります。

手術後の経過観察中にこれらの症状が現れた場合は、早めに受診しましょう。

治療

肝転移の治療法としては、薬物療法と肝切除があります。

他の部位にも転移している患者さんが多いため、基本的には抗がん剤やホルモン薬などの全身薬物療法が行なわれますが、「術後から1年以上再発がなかった」「他の臓器に転移していない」「転移巣が1つのみ」などいくつかの条件を満たした場合に限り、肝切除が効果をあげると考えられています。

ただし最近では、分子標的薬の進歩などにより、薬だけでも同等の生存期間を得られることが増えているため、必ずしも積極的に肝切除が行なわれるわけではありません。

このように、乳がんは転移先によりさまざまな症状が現れ、患者さんによって治療法も異なってきます。経過観察中に気になる症状が現れた場合は、早めに受診して検査を受けることが大切です。

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