乳房再建術別のメリットデメリット

乳がんの治療で乳房を全摘出すると、片側の胸が失われてしまうことで日常生活にさまざまな支障が生じます。もちろん患者さんの精神的なショックも大きいものです。

そんな問題を解消するための方法が、「乳房再建術」です。失われた乳房を人工的に再建する手術で、これにより多くの乳がん患者さんが身体的・精神的に救われています。

乳房再建術には、再建する時期や再建の方法によっていくつかの種類が存在します。それぞれにメリットとデメリットがありますので、ご紹介しましょう。

「一期再建」と「二期再建」のメリットとデメリット

乳房再建術は、まず行なう時期によって「一期再建」と「二期再建」の2種類に分けられます。乳房の摘出手術と同時に受けるのが一期再建、手術から時間が経った後で受けるものが二期再建です。

それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

一期再建のメリット

1.患者さんの精神的ダメージが少ない!

乳がんの摘出手術と同時に受ける再建術ですので、患者さんは自分の胸がなくなった状態を見なくて済みます。最近の技術は進歩しており、傷跡が落ち着けば見た目では人工乳房とは分からないことも少なくありません。

2.身体面・費用面での負担が少ない!

一期再建では、受ける手術が一度で済むため、体への負担はもちろん、費用の負担が少ない点もメリットです。

一期再建のデメリット

1.十分に検討する時間があまりない

手術と同時に受ける一期再建では、日数にあまり余裕がありませんので、乳房再建術の詳しい内容についてじっくり考える余裕がない可能性があります。

2.すべての患者さんが受けられるわけではない

一期再建は、基本的に再発リスクが少なく、術後の追加治療が必要ない患者さんに対して行なわれます。万が一再発した場合などは、再手術をする可能性があるからです。

二次再建のメリット

1.再建する乳房についてじっくり考えられる!

二期再建は、手術から半年〜1年ぐらい経ち、傷跡が落ち着いてきた後で受けます(何年も前に手術を受けた患者さんでも、もちろん可能です)。

その間、どのような方法でどんな形の乳房を再建したいかなどを、じっくり考えることができます。

2.再発の心配をする必要がない!

医師の中には、「再発リスクがほぼなくなってから、乳房再建したほうがいい」と主張する人もいます。

手術からある程度時間が経ち、再手術の可能性がほとんどなくなった後で、安心して受けられる点も二期再建のメリットです。

二期再建のデメリット

1.精神的ダメージが大きい

二期再建の場合は、初回手術後に自分の失われた胸を見なくてはいけないため、精神的なダメージが大きい点がデメリットです。また再建するまでの間は、見た目のバランスにも配慮する必要があります。

2.手術回数が増える

乳房を再建する際に再び手術を受けることになるため、身体的での負担が大きくなります。また手術費用も、一期再建より数万円高くなることが一般的です。

どちらを選ぶかは、再発リスクの大小や、患者さん自身の希望などによって変わってきますので、医師とよく話し合って最善の方法を選ぶようにしましょう。

「人工乳房手術」のメリットとデメリット

次に、術式の違いです。乳房再建術には、シリコンを使った「人工乳房手術」と、自分の脂肪を使った「自家組織手術」の2種類があります。

人工乳房手術とは、シリコンを用いて人工乳房を作る手術です。手順としては、まず「エクスパンダー」という器具を胸に入れ、数ヵ月かけて乳房の皮膚を十分に伸ばした後で、人工乳房を入れます。二期再建も可能です。

ただし、人工乳房はある程度の皮下組織と大胸筋が残っている患者さんに適応となりますので、そうでない場合は自家組織手術を選択します。

人工乳房手術のメリット

1.手術が簡単で安全性が高い!

手術自体はシンプルなため、30分〜1時間程度で終わりますし、入院日数も短く済みます。また合併症のリスクが少ない点もメリットです。

2.胸以外に傷がつかない!

自家組織を使う場合と違い、傷跡は胸にしかつきません。

人工乳房手術のデメリット

1.人工乳房は変形しやすい

シリコンは人体にとっては異物であるため、挿入後しばらくたつと周りに「皮膜」というカプセルのようなものができて、それがだんだん縮んできて変形を起こすことがあります(皮膜拘縮)。

これを予防するために、主治医の指導もと、マッサージを行なうことが大切です。

また、最近では少なくなりましたがシリコンバッグの破損が起こるリスクもゼロではないため、後々メンテナンスの必要が出てくる可能性があります。

2.感染症のリスクがある!

人工物であるインプラントは、感染症を起こしやすい点もデメリットです。シリコンを使って再建した患者さんのおよそ3%に感染症が生じ、程度によっては取り出さなければいけないこともあります。

3.左右の対称性が失われやすい

シリコンを入れた人工乳房は加齢による変化がないため、片側の胸が年齢とともに下がってくると、バランスがとりにくい問題もあります。

4.放射線療法に弱い

術後に放射線療法を受ける場合、皮膚が伸びにくくなるため人工乳房を再建できないことがあり、その場合は自家組織での再建のほうが望ましいとされています。

自家組織手術(皮弁法)のメリットとデメリット

一方、人工物ではなく患者さん自身の筋肉や脂肪などを他の部位から抽出し、それを胸に入れる手術が「自家組織手術(皮弁法)」です。

脂肪の多いおなかから抽出する「腹直筋穿通枝皮弁法」や、背中から抽出する「広背筋皮弁法」などの方法があり、患者さんの希望する胸のサイズや、脂肪の付き具合などによって選びます。

こちらも、一期再建・二期再建ともに可能です。

自家組織手術のメリット

1.仕上がりが自然!

自分自身の組織を注入しますので、仕上がりが自然で温感もある点が最大のメリットです。

2.放射線を行なった後でも可能!

術後に放射線療法を行なった場合、皮膚の伸びが悪くなるためシリコンを使った再建は難しくなりますが、自家組織手術はできる場合があります。また大胸筋を切除した場合でも可能です。

3.感染症リスクが少ない!

自分自身の組織を使うため、感染症のリスクが少ない点も大きなメリットです。

自家組織手術のデメリット

1.傷跡が増える

乳房の手術痕に加えて、脂肪を抽出する部位にも傷が付くため、美容上の問題があります。

2.手術時間や入院日数が長くなる

他の部位から脂肪を取って、それを移植する手術ですので、人工乳房に比べると手術時間や入院日数が長くなることが一般的です。

このように、乳がん手術後の乳房再建術にはさまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分にはどの方法が最適かを、医師とよく話し合った上で決めることが大切です。

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