乳がんの抗がん剤治療まとめ

乳がんの治療では、抗がん剤治療(化学療法)が行なわれることがあります。

手術の前に腫瘍を小さくする目的で行なう「術前化学療法」や、手術の後で再発を予防する目的で行なう「術後化学療法」、また手術が難しい進行・再発がんに対して行なう場合など、抗がん剤を使うケースは患者さんによりさまざまです。

抗がん剤を使うべきかどうか、また使うならどの薬剤にするかも、患者さん一人ひとりの乳がんの性質によって変わってきます。

ここでは、乳がんの抗がん剤治療について分かりやすくまとめました。

乳がんの抗がん剤治療は「サブタイプ分類」による!

乳がんとひと口にいっても、その性質はさまざまです。乳がんでは、もっとも効果的な薬物療法を行なうためにも、「サブタイプ分類」というものが重要になります。

サブタイプ分類とは、ステージ(病期)ではなく、がん細胞の特徴による分類のことです。

特に「女性ホルモンの影響で増殖するか」「HER2タンパクやHER2遺伝子が過剰に発現しているか」「がんの増殖スピードが速いか」という3点を基準に分類されます。

乳がんのサブタイプ分類
サブタイプ分類 特徴
ルミナルA型 女性ホルモンにより増殖する
HER2陰性
がんの増殖スピードが遅い
ルミナルB型(HER2陰性) 女性ホルモンにより増殖する
HER2陰性
がんの増殖スピードが速い
ルミナルB型(HER2陽性) 女性ホルモンにより増殖する
HER2陽性
がんの増殖スピードが速い
HER2陽性 女性ホルモンにより増殖しない
HER2陽性
がんの増殖スピードが速い
トリプルネガティブ 女性ホルモンにより増殖しない
HER2陰性

乳がんには、上記4つのサブタイプ分類があります。どのタイプに属するかによって、効果的な薬物療法が変わってきます。

乳がんのサブタイプごとの効果的な薬物療法
サブタイプ分類 薬物療法
ルミナルA型 ホルモン療法が中心
ルミナルB型(HER2陰性) ホルモン療法・化学療法
ルミナルB型(HER2陽性) ホルモン療法・化学療法・分子標的薬療法
HER2陽性 化学療法・分子標的薬療法
トリプルネガティブ 化学療法

ルミナルA型の乳がんは再発のリスクが低いため、抗がん剤はあまり必要としません。それ以外のサブタイプは、しこりの大きさやリンパ節転移の有無なども合わせて考慮した上で、抗がん剤を使用することがあります。

乳がんで実施される3つの化学療法

乳がんで行なわれる化学療法は、以下の3種類に大きく分かれます。

術前化学療法

手術前に3〜6か月ほどの化学療法を行ない、腫瘍を小さくしてから手術する方法です。この方法により、サイズの大きな腫瘍が見つかっても手術できる患者さんが増えています。

術後化学療法

主に早期乳がんの手術後に、再発や転移を予防する目的で行なわれます。がん細胞は小さすぎて目に見えないため、手術で取り残してしまう可能性があり、これを抗がん剤で叩くのです。

通常、複数の抗がん剤を組み合わせて行ないます。

進行・再発がんに対する化学療法

既に手術のできないステージや、再発・転移した乳がんに対して行なわれる化学療法です。抗がん剤で少しでも腫瘍を小さくすることで、症状を緩和させたり、がんの進行を遅らせたりします。

乳がんの治療に使われることが多い抗がん剤

乳がんの化学療法でよく使われる抗がん剤は、以下の通りです。

乳がんの化学療法でよく使われる抗がん剤
薬剤名 投与方法 適応
アルキル化剤
シクロホスファミド水和物(エンドキサン) 静脈注射 術前・術後・転移再発
トポイソメラーゼ阻害薬
ドキソルビシン(アドリアシン) 静脈注射 術前・術後・転移再発
エピルビシン(ファルモルビシン) 静脈注射 術前・術後・転移再発
イリノテカン(カンプト・トポテシン) 静脈注射 転移再発
代謝拮抗剤
テガフール・ウラシル配合物(UFT) 経口薬 転移再発
フルオロウラシル(5-FU) 静脈注射 術前・術後・転移再発
カペシタビン(ゼローダ) 経口薬 転移再発
ゲムシタビン(ジェムザール) 静脈注射 転移再発
微小管阻害剤
パクリタキセル(タキソール) 静脈注射 術前・術後・転移再発
ドセタキセル(タキソテール) 静脈注射 術前・術後・転移再発
アルブミン懸濁型パクリタキセル(アブラキサン) 静脈注射 転移再発
プラチナ製剤
カルボプラチン(カルボプラチン) 静脈注射 HER2陽性乳がん・転移再発

乳がんでは、多くの場合、上記のような抗がん剤を複数組み合わせて使用します。

たとえばシクロホスファミドとドキソルビシンを合わせた「AC療法」や、それにフルオロウラシルを合わせた「CAF療法」、シクロホスファミド・エピルビシン・フルオロウラシルの3剤を合わせた「FEC療法」などが代表的です。

乳がんの抗がん剤の気になる副作用は?

抗がん剤というと、誰もが気になるのが強い副作用です。

抗がん剤は、がん細胞を「増殖スピードの速さ」で見分けて攻撃するように作られているのですが、身体には正常な細胞であっても細胞分裂が盛んなところがあります。

たとえば、血液を作る「造血幹細胞」や、髪の毛を作る「毛母細胞」などです。そのため、白血球が少なくなる骨髄抑制や、脱毛などの副作用が現れやすくなります。

また抗がん剤は身体にとっては異物のため、吐き気も起こりやすいですし、口内炎、下痢、皮膚の異常、手足のしびれなど、薬によってさまざまな副作用が考えられます。

ただし、最近は抗がん剤の副作用対策に力が入れられるようになり、事前に制吐剤を投与するなどして症状を軽減することが一般的です。

ひと昔前のように「苦しくても我慢してください」と強制されるようなことは少なくなっており、副作用対策をしながら外来で化学療法を受ける人も増えています。

つらい時は我慢せず、医師や看護師に相談することが大切です。

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