若い人も検査を!若年性乳がん

乳がんの罹患率は、30代半ばごろから上昇し、特に高いのは40〜60代となっています。この世代だけで、乳がんの全患者さんの8割近くを占めるほどです。

しかし、中には35歳未満で乳がんを発症する人もいます。全体から見ると数は少ないですが、少数でもいる以上は注意しなくてはいけません。

こうした「若年性乳がん」は、それ以外の年齢層での乳がんより進行が速く、予後が良くないというデータも出ています。特に、親族内に乳がんの患者さんがいる女性は、なるべく早くから検診を受けることが大切です。

若年性乳がんの特徴や、かかりやすい人、早期発見のポイントなどについてご紹介します。

若年性乳がんにかかる人は、毎年1,000人以上!

若年性乳がんは、一般的に「34歳以下で発症する乳がん」のことを指します。通常、40〜60代にピークを迎える乳がんですが、まれに20代〜30代前半でも発症する人がいるのです(10代以下はほとんどいません)。

たとえば2011年の乳がん罹患者数を見ると、全体で「72,472人」となっています。そのうち、20〜34歳までの年齢層の患者さんは「1,269人」で、全体の1〜2%を占めることが分かります。

年齢別乳がん罹患者数のグラフ

(がん情報サービス「全国がん罹患数・率推定値(1975-2011年)」)

このように、全体から見るとごく少数ではありますが、年間1,000人以上の女性が35歳未満で乳がんを発症していることは確かですので、若い女性も油断せず、早期発見に努めることが大切です。

若年性乳がんの特徴とは?

「日本乳癌学会」が発表したデータによると、若年性乳がんには、それ以外の年齢層での乳がんと比較して、以下のような特徴があるといわれています。

乳がんの家族歴がある人が多い

34歳以下で乳がんを発症した人は、それ以外の人と比べて「乳がんにかかった親族がいる割合」が高いことが分かっています。つまり、先天的な要因が大きいと考えられます。

両側性乳がんは少ない

若年性乳がんは、片側の胸だけにできるケースが多く、両側性は少ないとされています。

肥満の患者さんが少ない

若年性乳がんの患者さんは、平均してBMIの数値が高くないことも分かっています。食事や運動などの生活習慣とはあまり関係がないということを示しているのかもしれません。

セルフチェックによる発見率が高い

34歳以下の若い女性では、乳がん検診を受ける機会が少ないため、多くの患者さんが自分で胸のしこりに気づいて受診しています。

腫瘍のサイズが大きめ

若年性乳がんの腫瘍は、発見時で平均2.9センチとなっており、それ以外の年齢層に比べて明らかに大きめです。

ただし、これは「セルフチェックで気づいたケースが多い」ことと関係していると思われます。ステージとしては、T期は少なく、U期とV期がもっとも多くなっています。

さらにリンパ節転移の数も、他の年齢層と比べるとやや多めです。

予後が比較的良くない

生存率で比べた結果、34歳以下の患者さんの予後は、それ以外の年齢の患者さんよりも良くないことが分かっています。おそらく進行が速いことと、再発率が高いことが原因と考えられます。

悪性度の高いタイプの乳がんが多い

若年性乳がんでは、悪性度の高い「HER2陽性」および「トリプルネガティブ」というタイプの乳がんが多いことも、調査によって分かっています。

HER2(ハーツー)は、細胞の増殖にかかわるタンパクの一種です。特に、リンパ節に転移している段階の乳がんで「HER2陽性」の場合、再発の危険性が高いといわれています。

一方、「トリプルネガティブ」とは、「ER・PgR・HER2」のいずれも陰性である状態です。ERはエストロゲン受容体、PgRはプロゲステロン受容体といって、女性ホルモンの影響の受けやすさを示しています。

これら3つがいずれも陰性である「トリプルネガティブ」の乳がんは、治療法の選択肢が限られてしまうため、こちらも予後が良くないタイプになります。

若年性乳がんの原因とは?

なぜ若年性乳がんになるのかについては、まだ完全に明らかになってはいませんが、以下のようなことが要因として考えられます。

遺伝的な体質

若年性乳がんに「家族歴が多い」という特徴を考えると、やはり遺伝的な要因を無視することはできません。

実際、生まれながらにして「BRCA1」もしくは「BRCA2」という遺伝子に変異のある女性は、そうでない女性に比べて乳がんと卵巣がんにかかるリスクが高くなるのですが、若年性乳がんの患者さんにはこの体質の人が多いことが分かっています。

母親や姉妹、叔母などに乳がんや卵巣がんの患者さんがいる場合は、特に早くから検診を受けるように心がけたいところです。

食生活の欧米化

乳がんは年齢に関わらず、日本女性全体に急増しています。2011年の罹患者数は約72,000人でしたが、2015年の統計予測ではなんと90,000人に達するとの試算が出ているほどです。

その原因として、食生活の欧米化がよく指摘されています。乳がんは、乳製品や脂肪分の多い食事がリスク要因とみなされているからです。

もっとも若年性の場合、生活習慣ではなく遺伝のほうが大きい可能性もありますが、さらに食生活の欧米化が加わるといっそうリスクが高まることは考えられます。

若い女性も、ぜひ食事全体のバランスを見直してみましょう。

若年性乳がんを早期発見するために大切なこと

20〜30代の女性は、今後の人生で妊娠や出産をする可能性がある世代です。ですから将来的に赤ちゃんに授乳できるようにするためにも、乳がんは「早期発見・早期治療」する必要があります。

若年性乳がんを早期発見するためには、「セルフチェック」と「定期検診」が重要です。

乳がんのセルフチェック

自治体が費用を助成する「乳がん検診」は、40歳以上の女性を対象にしているため、よほど予防意識の高い女性でない限り20代から受けることはまれだと思われます。

しかし乳がんには「胸のしこり」という分かりやすい症状がありますので、セルフチェックも非常に有効です。

生理が終わった後など、なるべく胸が柔らかい時期に、自分で乳房全体をくまなくチェックして、しこりがないかどうかを調べましょう。

また鏡で両側の乳房のバランスを見たり、凹みやひきつれがないかをチェックしたりすることも大切です。

定期的に乳がん検診を受ける

一般的には30代半ばごろから推奨される乳がん検診ですが、親族内に乳がんや卵巣がんの家族歴がある女性は、さらに時期を早めて20代から受けておくと安心です。

マンモグラフィ検査とエコー検査を合わせることで、高い確率で乳がんを発見することができます。

また、遺伝的に乳がんの体質が疑われる場合は、「遺伝子カウンセリング」を受けるのもおすすめです。全国各地の大学病院やがんセンターに窓口がありますので、まずは連絡をして相談することから始めましょう。

必要に応じて、「BRCA1・BRCA2遺伝子検査」を受けることができます。

その結果もしも変異が見つかった場合は、なお慎重に継続的で詳しい検診を受けることで、乳がんの早期発見につなげることが可能です。不安な方は、ぜひ自分の体質を調べてみてください。

乳がん治療はがん保険で備えるとさらに安心!

乳がんは先進医療に指定されている重粒子線治療や陽子線治療などの適用があり、1回300万円以上しますので特にがん保険の必要性が高いがんです。

がん保険はがんになってからでは加入できませんので治療費が心配な方は、がんになる前に一度資料請求をして検討してみるとよいでしょう。

FPが選ぶおすすめがん保険人気ランキングの1位と2位

スポンサードリンク

スポンサードリンク

ページの一番上へ
サイトのTOPページへ